知覚編 光の芸術
ここまでの話をまとめると、人間は目を通して周囲の状況を「光」として感知しているのです。ほんのわずかな光は感じることができますが、完全な暗闇では何も見ることはできません。光がなければ、人間は色を感じることができないのです。
色光の3原色、憶えていますか?そうです。RGBの3色です。もうひとつありましたね?色料の3原色、CMY。目は色を光として感知するので、RGBで感知します。
暗闇でもテレビは見えますよね?これはテレビが光りを発するRGBで表示されているからです。では暗闇で本は読めますか?本はCMY。それ自体が光っていないから、読むには光が必要になります。例えばYELLOW(黄)がどう見えるのか、説明します。
まず、左の図を見てください。黄色は青の反対側にある、補色ですよね。これをまず憶えてください。
白い光はRGBの3色全てが混ざった光です。下の図では左から白い光(RGB)を黄色い紙に当てています。すると、黄色はその補色になる青い光を吸収し、残る赤と緑の光りを反射するのです。赤と緑の光を混ぜると黄色になります。このような過程で白い光は黄色い光に変わり、目の中で黄色として感知されるのです。
このように、人間は色をすべて光として感じるのです。目に見えるものすべて、「光」なのです。CGも、絵画も、ファッションも、インテリアも、すべて目を通して見えますよね?私が思うに、目を通して感じる芸術というのは、すべて「光の芸術」なのです。CGアーティストも、画家も、ファッションデザイナーも、カラーコーディネーターも、みんな光のアーティストです。かっこいいでしょう?色を、光を極めれば誰でも簡単になれますよ。