さようなら「幌舞線」
JR北海道の根室本線は、
滝川駅から根室駅までの400Km以上もある長距離路線。
このうち、富良野駅から新得駅までの約80Kmが今日をもって廃止となり、
バス転換されてしまいました。
もともと滝川駅から釧路駅までは、
札幌駅や函館駅からの特急列車も通る主要幹線でしたが、
道央から道東をショートカットする石勝線が開通してからは、
滝川駅から新得駅までは定期の特急は通らないローカル線になってしまいました。
そして激甚災害指定された2016年8月の台風10号の影響で甚大な被害を受け、
復旧されることなく8年放置され、廃線となったのでした。
僕が1歳から3歳くらいの頃には釧路に住んでおり、
この区間の特急列車には乗っていたらしいのですが、
さすがに記憶はありません。。。
それからしばらくは縁がなかったのですが、
大学1年の夏にトマムリゾートで2週間働いていて、
その際の宿泊先が落合駅近くでした。
沿線を訪れたのは、この時が最後になりました。
今日廃止になった区間には、
テレビドラマ「北の国から」のロケが行われた山部駅や、
映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台となった幾寅駅があります。
どちらも人気があったのですが、
幾寅駅は台風被害で不通となりバス代行運転になっていた区間。
列車が来ること無く、廃止になってしまいました。
鉄道員(ぽっぽや)のストーリーは、
この幾寅駅が架空の路線「幌舞線」の終着駅として出てきます。
劇中でも、幌舞線は廃線になってしまうのですが、
実際の根室本線も廃止になってしまうのですね。
この10年で、JR北海道は多くのローカル線を廃止してきましたが、
そのほとんどは行き止まるの末端区間。
しかし今回は根室本線の中間部で、北海道の真ん中を南北に貫く路線。
この部分は上川・空知地方から十勝・釧路地方へのルートになるので、
今後の観光列車のルートとしても、トラックドライバー減少対策の物流ルートとしても、
残しておくべきではないかと思います。
住民団体による復活を求める活動は今後も続けられるそうです。
JR北海道は、台風被害からの工事復旧費用は約10億円と発表していました。
同じく自然災害により復旧が困難になった日高本線の復旧費用86億円に比べれば格段に低いですし、
今年3月には国から3年で1092億円もの支援が出ることになったのに、
復旧せずに廃止になることには疑問を持ちますね。