開陽
2011.08.28
『開陽』
すなわち「陽が昇る前」と名付けられた、
3000トン級の船がありました。
幕末のころ、
オランダで建造された江戸幕府の軍艦です。
全長は約73mでほぼボーイング777-300と同じくらい、
幅は約13mで777の胴体(約6m)の2倍。
当時としてはかなりの大型艦でした。
大政奉還後は榎本武揚率いる旧幕府軍脱走艦隊の旗艦となり、
新政府軍から逃れ、
蝦夷地に独立国を築こうとする旧幕臣たちの夢を乗せて北に向かいます。
しかしその後、
軍艦として就役からわずか1年足らずで江差沖で座礁し沈没してしまいます。
旗艦を失った旧幕府軍は戊辰戦争最後の戦い、
箱館戦争で敗れて夢は潰えたのでした。
開陽の船体は今も海の底に眠り、
日本初の海底遺産に登録されていますが、
オランダに残っていた設計図をもとに復元された船体が、
北海道江差町にあるそうです。
幕末の混沌とした時代に、
新しい国・新しい夢を抱いた人たちのシンボル、フラッグシップだった開陽、
機会あれば見に行ってみたいと思いました。